1周年記念パーティー



「パーティーにようこそ!!いつもお世話になってるから、今日は存分に楽しんでいってね!」
いきなりシエルの最高の笑顔で出迎えられたあなた。
パーティー会場は見事に飾りつけられ、料理などの香ばしい香りが漂ってくる。
どうやらかなり気合をいれて用意したことがうかがえた。
と、今度はいきなり後ろからぽんっと肩を叩かれる。
「よっ、まあゆっくりしてけよ!うまい飯も用意してあるからなっ」
「カールアはそれしか考えてないくせに〜」
「うっせ〜な〜。うまいもんを食うのは人間として常識ってやつさっ」
シエルとカールアはパーティーの時でも相変わらずのよう。

そんなこんなでこの二人に案内され、さらにパーティー会場の奥へと進んでいくと、
いつものあのメンツがいるわいるわ。
中でもやっぱり目をひくのがロカである。
黒のおしゃれなスーツでそこにいるのだから、いるだけで目立ってしまう・・・・。
と、ロカはそんなあなたの視線に気がついたのか、こっちを見てふっと笑った・・・・・りはやっぱりしない無表情なロカである。
「あっ、ロカ〜」
シエルはその手を思いっきりふりながらロカを呼ぶ。
それに答えるかわりにロカはこちらに近づいてくる。
「なにか?」
「なにって、せっかく来てもらったんだからなにか一言いってよ〜」
「ああ、一言、ね。とりあえず・・・・・楽しんでいってくれ」
「もっと愛想よくしようよ〜〜〜」
シエルが涙目で訴えてもこればかりはしかたない。
それに対しロカの返した言葉は、
「・・・・私がいきなり笑顔で迎えたら怖いだろ」
「うっ、こ、怖いかもっ。なんかそのまま殺されちゃいそうよね」
「お前、私をなんだと思っているんだ・・・・?」
ロカは疑問の念をいっぱいこめた視線をシエルに送ったが、思うだけ無駄だと思ったのかすぐに思考をきりかえた。

「まあいい。じゃあレイでも呼ぼうか。おいレイ」
「あ、はい。なんでしょうロカ様」
「今日の賓客がきた。挨拶を」
「はい」
レイはロカの前で見事なスマイルをみせると、今度はこちらを向いて口を開く。
「やあ。元気?ま、楽しんでいってよね。カールアが体をはって笑いだってとってくれるさ」
「そうそう・・・・ってなんで俺なんだよ!!」
「やりそうだったから」
「ああはいはい。どうせ俺はお笑いさっ」
「わかってるならいいんだけど」
ロカ以外の前では相変わらずな態度をとるレイである。
もう少し愛想よく・・・・・って、愛想悪いやつらばっかりだ・・・・などというナレーションのつぶやきはいいとして、
そういえば気がつくとシエルの姿が消えている。
どこへ行ったのだろうか・・・・・・。

数秒まってみると、シエルが返ってきた。
その右手には大荷物を引きずって・・・・・・。
しかもその大荷物がなにやら叫んでいる。
「ああっ、わかった!わかったから離してくれっ!!!」
「いや〜よ。楽しいからひきずってるんだもん」
「い、い、いいから離してくれってばっ」
大荷物さんはなにやら精一杯のよう。
そりゃあ女性が苦手なんだから思いっきり腕をつかまれていては・・・・ねぇ。
ということでセイズです。
「さあっ、挨拶よ、セイズ!!」
「ううっ、なんか番犬みたいな気分だ、オレ・・・・・」
なんだかちょっと涙目なセイズは、こっちを見るとしどろもどろと挨拶をし始める。
「あ、そ、その、いらっしゃい。えっと・・・・いつもお世話になってます」
セイズがぺこりと会釈をした。
いつもと違ってスーツ姿で決めてるくせに、こういうしぐさだけはなぜかスーツに馴染んでいない。
どうしても格好つけられない質らしい。

「あ、そういえば向こうにザイルがいたっけ?」
まだセイズの挨拶が終わるか終わらないかのうちに、シエルはすでに次の話題へ走っていた。
相変わらずぞんざいな扱いのセイズである。
そんなわけで視線をシエルが向ける方向に目を向けると、そこにはなんと!
優雅にもワインを片手にマリィと会話を交わすザイルの姿があったのだ。
なんだか王族のよう・・・・・というか王族である。
だがその優雅な雰囲気とは裏腹に会話は・・・・・
「おおっ、マリィ!ドレスアップした姿もいいよっ!!お兄ちゃんはうれしいっ」
とうれし泣きまでしている始末・・・・・。
そしてマリィは・・・・・、
「ありがとうお兄様。でもそれよりも挨拶をしなくてはね」
こっちも相変わらずのようだ。
「ようこそいらっしゃいました。どうぞ楽しんでいってくださいね」
優雅な笑顔と動作で挨拶するマリィ。
こうして話している分には普通に見える。
あくまで見えるだけだが。
「ああ、いらっしゃい。君もマリィの美貌を見にきたんだな!!」
「違うって」
カールアがぼそりとつぶやいてみるが、ザイルはもうそんなことは聞いていない。
ただ妹のことを語りまくり始めようとしている。

その様子に身の危険を感じたシエルは、その横のほうで食事をしているシアを見つけた。
「あっ、シア!!」
「シエルさん、おいしいですよ〜」
シアは笑顔でクラッカーをほおばっている。
なんだか幸せそうだ。
と、シアはすぐにあなたに気がついてぺこりと頭を下げた。
「こんにちわ〜」
「こんにちわって、今は夜だよ(パーティーだし設定は夜になってます)シア・・・・」
「あ、そうなんですか〜」
「やっぱりあたしシアには勝てないわ・・・・・」
関心したような、ちょっとさみしいような、そんな感じにつぶやいたシエルだったが、
急に気をとり直したらしい。
「もうやけぐいしてやる〜〜〜〜」
・・・・やっぱり気をとりなおしていなかった。

「あ。あなたもぜひお料理をどうぞ。今日のパーティーはここにいるみなさんで作ったんですよ〜」
へぇ、そうなんですか〜、などと言いながら、あなたは料理に手をつけました。


さてその味は?


「うぐっ!!ま、ま、まずいっ」と、叫びながらみもだえてしまうほどに強烈な味がした。

「なっ、なんと!うまい、うますぎるっ!!!」と叫んでしまうくらいおいしかった。

SEO [PR] !uO z[y[WJ Cu